長文読解の文章量と注釈数が増えている
年々、スピーチ長文や会話長文の文章量と注釈数が増えています。
文章量が増えれば注釈数も増えるのは当然のこと(?)なのかもしれませんが、それだけ文章内容が難しくなっているということ。
ここ6年間のスピーチ長文と会話長文の文章量(ページ換算)と注釈数を表にまとめてみました。
文章量(ページ換算)は、表やグラフ、挿絵の部分を抜いた英文量で、感覚的な数字ですのでご参考程度に。
年度 | スピーチ長文読解 | 会話長文読解 | ||
ページ | 注釈数 | ページ | 注釈数 | |
H31年度 | 1.3 | 22 | 2.0 | 24 |
H30年度 | 1.1 | 25 | 1.7 | 21 |
H29年度 | 1.0 | 19 | 1.5 | 20 |
H28年度 | 1.0 | 13 | 1.8 | 19 |
H27年度 | 1.0 | 18 | 1.6 | 19 |
H26年度 | 1.0 | 18 | 1.2 | 15 |
今後必要になる能力
とにかく「文章が長くなった」という印象が強い今年の英語。
今年の問8(会話長文読解)を分析し、今後の神奈川県立高校入試における英語長文読解対策で鍛え上げるべき必須能力を検証してみましょう。
(ア)の問題は□に入る英文を選択する問題。
これは、そこまでの話の流れがつかめていれば簡単な問題でした。
(イ)の問題は、災害時に家族と合流するための学校からのルートを選ぶ問題でした。
昨年はカードに書かれた数字の順番を選ぶ問題で、傍線部まで読んでいけば解答を導き出せました。
しかし今年の問題は傍線部まで読んでいけば答えを導き出せるというものではなく、後半の1ページ全体に解答につながるポイントが散りばめられていたため、解答を導き出すのに時間が書かてしまった生徒もいるかもしれません。
(ウ)の問題は例年通り。誰が何をしたのかや誰がどう考えているのかなどをしっかり読み取っていけば正解が出せる問題でした。
古い年度の会話長文は、文章の中に表が入り注釈が与えられた状態で2ページでした。
一人のセリフが短く会話テンポが良いためか段落が頻繁に変わりスッカスカで、文字数自体少ない年もありました。
また、スピーチ長文にしても、表やグラフ入るだけで文字が大きくなったり短い一文で段落が変わったりして文字数が減るのですが、古い年度ではそれがいくつも入っているます。
しかし、今年の会話長文読解ではそういったものが一切ない状態で2ページ。しかも注釈は3ページ目から入るという文章量。スピーチ長文読解も、表やグラフが少なくなりました。
これまでは「語彙力(英単語力)」「文章を早く読める力」「情報を整理し把握する力」があればよかったのですが、今後は「複雑な文章を最後まで読み切る集中力」が必要になってきます。
複雑と表現したのは、注釈の数が増えるだけで文章が複雑に感じてしまうためと、年々思考力を問われる内容になってきているためです。
思考力なくして長文読解は出来るようになりません。
しかし、これは英語長文の思考力だけを鍛えればよいというわけではなく、それ以外の様々な分野で思考力を鍛えていかなければならないということです。
やはり、「ただ覚えるだけの勉強」の時代は終わったということですね。
藤沢市辻堂の湘南高校受験専門塾 育秀会
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