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大学入試を見据えて今鍛えるべき学力とは?

先日、教材会社の大学入試セミナーに参加してきました。

センター試験から共通テストに変わりすでに2回実施されましたが、問題内容や難易度の調整など今後数年間は続いていくでしょう。

 

大きく変わったことといえば問題内容。

共通テストでは、センター試験ではなかった「記述問題」が導入されています。

これまで実施された共通テストのデータから見えてきた、現在の日本の子どもたちに足りない学力とは?

 

今後大学入試を見据えて、小学生・中学生の頃から鍛えていくべき学力とは何か。

読解力の定義が変わりました!

読解力と聞くと多くの方が「文章を読んで内容を理解する力」と捉えていると思います。

 

 

情報が順番に並んでいて、それを読み進めれば良いものです。

 

 

これまでの国語の読解問題は、この手の文章を前から読んでいき問いに答えれば良い内容でした。

 

 

 

しかし、それが今変わっているのです。

 

 

情報が複数のグループに分散していて、並行して読み進める必要がある文章「複線型読解」が入試問題の主流になっているのです。

 

 

資料読取問題で、文章と図表・グラフを並行して読む必要があります。

 

 

こうした資料を使いこなしながら文章を読み解く問題は、すでに国語以外の教科でも出題されています。

 

 

もちろん神奈川県立入試でもです。

 

 

 

高校受験でこのように変化しているのは、大学入試が変わることが影響しているためです。

 

 

下記の表は、大学入試のセンター試験と共通プレテストでの「複線型読解」を要求する設問の比率を比較した表です。

複線型

読解問題

英語

(筆記)

数学

Ⅰ・A

数学

Ⅱ・B

国語 世界史B 日本史B

18年度

センター

18.8% 5.4% 0.0% 2.8% 5.6% 19.4%

17年度

プレテスト

64.7% 47.9% 24.3% 45.7% 55.6% 74.2%

18年度

プレテスト

61.8% 33.3% 20.5% 27.5% 55.9% 70.6%

※教育開発出版提供データを抜粋

ご覧の通り、共通プレテストでは数値が激増しています。

 

 

これが高校入試に影響を与えるということは容易に想像できます。

 

 

そして、今後求められる読解力とは、ただ文字だけの文章を読んで理解する力ではなく、与えられた資料やデータを用いて文章を読み解く力です。

資料やデータを用いた文章を読み解く難しさ

資料やデータを用いた文章を読み解くことが、そんなに難しいのかと思う方も多いかもしれませんね。

 

 

以前教育業界でも話題になった「教科書が読めない子どもたち」の冒頭部分にもありましたが、中学校で授業を受けている生徒の約半数が正しく理解して読むことができないと綴られていました。

 

 

実際生徒たちに教科書を音読させてみると、文章中の言葉(特に助詞の部分)を勝手に変えて読む生徒が多いのです。

 

 

それだけではありません。

 

 

以前、定期テストで400点以上取れていた中学2年生が模試を受験した時、資料の読取問題が全く解けていなかったのです。

 

 

問題はそれほど難しいものではなく、選択肢の文章を読みながら資料がその内容に合っているかどうかを照らし合わせていけば正解できる問題です。

 

 

解説した時は納得の表情をしていましたが、要は解説を聞けば正しく理解できるが自分では正しい解釈のもとに文章を読むことが出来ないということです。

 

 

 

国語の単なる小説文や論説文は、一つのことだけに集中して考え答えを探し出す問題ですが、こうした資料の読取問題は、2つ以上のことを同時に考え処理する力(同時思考力)が必要だから難しいのです。

2つの訓練で同時思考力が向上する

二つの訓練とは、「頭の中だけで考える訓練」と「紙に描き出して考える訓練」です。

 

「頭の中だけで考える訓練」は脳みそに負荷がかかります。筋肉と一緒で負荷をかけなければ鍛え上げられません。

 

 

そして、この訓練を行うのであればパズルがおすすめ。

 

 

クロスワードやサイコロなどのパズルで、メモをせず頭に記憶させて考える訓練をするとかなり鍛えられます。

 

 

複雑な計算問題を頭の中だけで解く練習をするのも効果があります。

 

 

しかし、それはあくまで「頭の中だけで考える訓練」として行うもので、学校や塾の宿題、試験の時にそれをやるとミスをする可能性が大いにありますから注意してくださいね。

 

 

試験の時は、ミスをしないためにもしっかり計算過程を書くことを徹底しましょう。

 

 

宿題などの普段の勉強でも、原理原則を理解するために紙に書き出すことは非常に大切です。

 

 

「紙に描き出して考える訓練」は、情報を整理する力を身につけるためにも行います。

 

 

方程式などの文章問題などは、図や表を描きながら解くのにうってつけの問題です。

 

 

なぜ練習の段階でそれをやるのかというと、普段から描き出す訓練をしていないと試験中どう描き出して良いかが分からず行き詰まるからです。

 

 

パソコンも処理する量が多すぎるとフリーズします。

 

 

だからデータを外付けハードディスクに移して、パソコンの中を軽くしますよね。

 

 

人間の脳も同じです。

 

 

パンパンになった脳の中の情報を外に出してあげないと処理することが出来なくなりますし、新しい情報を取り入れることもできなくなります。

 

 

だから紙に描き出して脳の中を軽くしてあげるのです。

 

 

そうすれば難解な文章問題も順序立てて問題を解いていくことができるようになります。

まとめ

今までの読解力であれば、漢字練習で言葉を覚え小説文や論説文の内容をひたすら読んで回答を考えていく勉強で良いものでした。

 

しかし、それだけでは不足しており、情報を処理しながら文章を読む力が求められるようになった今、2つ以上のことを同時に考られる思考力「同時思考力」を身につけていく必要があります。

 

 

それが、お子さんの読解力を向上させる鍵となります。

 

藤沢市辻堂の湘南高校受験専門塾 育秀会