県立高校合格者平均点
英語 | 数学 | 国語 | 理科 | 社会 | 合計 | |
2018年度 | 56.1 | 56.0 | 65.6 | 45.3 | 41.8 | 264.8 |
2017年度 | 51.9 | 63.5 | 73.1 | 46.9 | 54.5 | 289.9 |
2016年度 | 43.0 | 51.7 | 64.7 | 46.5 | 52.0 | 257.9 |
2015年度 | 51.8 | 52.6 | 64.4 | 37.4 | 50.2 | 256.4 |
2014年度 | 59.6 | 51.7 | 60.8 | 38.6 | 49.5 | 260.2 |
2013年度 | 54.8 | 65.5 | 67.8 | 66.4 | 51.1 | 305.6 |
上の表は、2018年度を含めた直近6年間の県立高校合格者の学力検査平均点です。
2017年度にマークシート形式に変わり、5教科平均点が大きく上がったことは周知のことと思います。
そして2018年度、何がおきたのか。
赤い数字に注目していただくとお分かりいただけると思いますが、これまで4年連続で最下位平均点だった理科がその座を明け渡し、社会が最下位となりました。
5年ぶりの最下位奪還です。
2017年度と2018年度の得点差を見ると、12.7点も下がっています。これだけ差があると、神奈川県立過去問題集だけで入試対策をしてきた生徒の中には、受験中ものすごく焦ってしまった生徒もいるでしょう。
唯一の救いは、社会が5教科目の試験で他の科目に影響を与えることはなかったこと。
面接や特色検査はあるものの、その日のうちに気持ちを切り替えるチャンスがあったことが救いです。
では、湘南高校合格者の平均点はどうだったのか見ていきましょう。
湘南高校合格者平均点
英語 | 数学 | 国語 | 理科 | 社会 | 合計 | |
2018年度 |
94.3 ① |
85.1 ③ |
92.0 ② |
82.4 ④ |
81.4 ⑤ |
435.2 |
2017年度 |
91.2 ② |
88.1 ⑤ |
95.9 ① |
89.0 ③ |
88.6 ④ |
452.8 |
2016年度 |
87.4 ③ |
84.9 ④ |
92.5 ② |
84.1 ⑤ |
93.4 ① |
442.3 |
湘南高校合格者の学力検査平均点でも社会が最下位で、2017年度と2018年度の点差は7.2点でした。
ここ数年のデータを見ていても、県教育委員会の入試制度や入試問題の平均点調整については試行錯誤している空気感が伺えます。
今後はどの教科でどのように問題の難易度が変化しても対応できる対策をしていく必要があります。
問題の難易度が変わっても対応できるようにするための入試対策については、記事の後半で述べていきたいと思います。
さて、ここからは具体的に湘南高校受験生のデータを見ていきたいと思います。
英語100点満点が30人以上
湘南高校受験生のデータを見ると、驚くことに英語で満点を取っている生徒が30人もいました。
受験という張り詰めた緊張感の中で、ミスが一つもないというのは本当にすごいことです。
このデータはあくまで全県模試のデータに基づくものです。
神奈川県全体のデータを集めたらもっといるということ。
「英語が得意」「英語を武器にしたい」と考えている中学生は多いと思います。
それは非常に素晴らしいことです。
自分の得意科目をしっかり伸ばすことが、合格への第一歩だと私も思います。
しかし、学力検査は5教科。それに特色検査もあります。
軸とする教科は少なくとも2本はほしい。できれば3本。
その上で他の教科の得点力も上げていく必要があります。
英語一本柱では心もとないというのが私の本音です。
事実、英語が100点満点でも不合格となってしまった生徒は数人います。
3教科で90点以上取れているにも関わらず、不合格となってしまった生徒もいました。
苦手科目にどう向き合って対策をしてくるか、得意科目を軸にしつつその他の教科もいかにバランスよく取れるかというのも、受験においては非常に大切だということです。
不合格だった生徒の共通点
すごく嫌なタイトルですが、少しでも今後の入試対策の参考にしていただければと思いますのでご容赦下さい。
下の表は、100点満点をとったにもかかわらず合格できなかった生徒の例です。
英語 | 数学 | 国語 | 理科 | 社会 | 内申 |
学力 検査 |
面接 |
特色 検査 |
|
A | 91 | 91 | 100 | 65 | 71 | 132 | 418 | 100 | 42 |
B | 100 | 80 | 90 | 67 | 60 | 131 | 397 | 100 | 34 |
C | 100 | 75 | 84 | 65 | 71 | 113 | 395 | 100 | 45 |
3人とも共通することは理科と社会で80点未満、特色検査得点が50点未満ということ。
この3人に限らず、すべての受験生のデータを見ると、内申点が130台を超えているにも関わらず不合格となってしまっている生徒の共通点は、英語・数学・国語は取れるけど、理科・社会・特色検査のうちいずれか2つ以上が特に低いということ。2つのうち特に特色検査で得点できていない生徒が多いように思います。
普段は取れている科目なのか、普段から苦手だったのかはわかりませんが、入試本番でどのような問題が出題されても冷静に、普段の実力を出し切る練習は必要です。
特に理科や社会は入試対策の段階で90点前後を安定して取れるまで練習することです。
難易度が変わっても得点できる対応力を身につけるためには
冒頭で紹介したとおり、2018年度入試では社会の平均点が下がりました。
今後も難易度が大きく変化する教科が出てくるかもしれません。
特に、英語や国語などの1番目2番目に実施される教科で大きく変化し、本番でそのギャップに打ちのめされて最後まで立ち直れず・・・といったことを防ぐためにも、難易度が変わってもいつもと変わらず得点できる対応力を身に着けておくことは大切です。
おすすめ教材
全国高校入試問題正解(旺文社)は、全国の公立高校入試問題を掲載した入試対策教材です。
各教科「試験型」と「分野別」の2種類あり、どのような対策をしたいかで使い分けることができます。
書店やアマゾンなどでも販売されていますので、誰でも購入することができます。
※ちなみに私は旺文社の回し者でも何でもありません。
全国の公立高校の問題ですから、問題難易度は様々です。
英語や国語では、制限時間に対する文章量の違いや、さらっと読んで解ける問題と本文中の資料からデータを読み取って計算をしなければならない複雑な問題など様々です。
数学では関数、図形、確率など、県によって難しい問題の単元が全く違うため、時間配分の調整力が鍛えられます。
理科や社会では、同じ事柄に関する問題でも違った角度からの出題されているため、幅広い知識と柔軟な思考を養うことができます。
「試験型」と「分野別」、おすすめは?
「試験型」がおすすめの人
- 時間配分の練習をしたい
- 難易度が変わっても得点できる対応力をみにつけたい
- 試験での得点力の推移を計測していきたい
1冊にすべての都道府県問題が掲載されていますから、かなり試験練習を積み重ねることができます。
ただし、闇雲にやってすべての県を制覇すれば良いというわけではなく、解けなかった問題の復習と類似問題の演習で理解を深めていくことは必須です。
全国の半分を試験練習として使い、もう半分を単元別練習として使うなどの工夫もできるかと思います。
ちなみに、冊子の最初のページにそれぞれの都道府県で各教科どの単元が出題されたかが表になっているので、「試験型」でも単元別練習はできます。
「分野別」がおすすめの人
- 弱点が明確になっていて、入試問題レベルで弱点克服のための勉強がしたい。
- 分野別に問題傾向をつかみたい
「分野別」は、一日一日テーマを持って勉強しやすいと思います。
時間配分など試験慣れの部分は模試を受験するだけで十分という方は、その模試の結果をもとに弱点単元克服を「分野別」ですると良いと思います。
学習計画の段階でどこの弱点を強化するかを決め、その単元だけに集中して取り組めるのが「分野別」の特徴です。
注意点
全国高校入試問題正解は、全国の入試問題を一冊に凝縮し掲載しているので、解説書の解説はあまり詳しくないのと、文字が小さくて非常に読みづらいといった印象があります。(私が老眼というわけではありません。)
そのため、自分ひとりでやりきるというのは難しい部分があり、誰かに解説してもらわないと理解しきれないという場面は多分に出てくると思います。
もちろん教材は使い方次第。
過去問の勉強の仕方は今後記事にあげたいと思います。
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