入試当日の塾の決起集会(見送り)に要注意!
これはもう10年ぐらい前になるでしょうか。
進学塾に勤めていた頃の話です。
毎年受験当日の朝は、最寄り駅で受験生を見送ることが恒例でした。
その年も例年のごとく朝6:00に改札前のベンチ付近で受験生を待っていました。
しばらくすると他塾の先生もきてお互い会釈をします。
数分後、受験校が遠く早く出発しなければならない塾生とそのお友達がやってきます。
少し話をして見送るわけですが、ここでの目的は「鼓舞すること」と「余計な緊張をほぐすこと」です。
時間がたつに連れて続々と受験生が駅に集まってきて、それぞれ自分が通っている塾の先生のいるところに挨拶をしに行きます。
塾生も続々と集まってきて、ある女子生徒がやってきました。
その女子生徒は、塾の先生たちが見送りに来ることを想定していなかったのでしょう。
そして、先生たちが来てくれたことが嬉しかったのだと思います。
思わず涙がこぼれてしまった。
塾の先生やこれまで一緒に頑張ってきた仲間達がいつもと違う場所で集まっていたことで、いつもと違う雰囲気が漂い「これから試験をするんだ」というこれまで張り詰めていた緊張の糸が切れてしまったのです。
駅の改札を通る後ろ姿を見た時に、不安がよぎりました。
そして、その不安は的中してしまいました。
本来「鼓舞すること」「余計な緊張をほぐすこと」を目的としている見送りで、私達はその子の「緊張の糸を切ってしまった」のです。
いや、それまでの指導による結果であると言われれば、そのとおりです。
しかし、私達塾講師は受験指導は結果がでるまで終わらないと考えています。
それは、結果が出るまでの生徒・保護者が持つ不安に寄り添ったり、高校進学後の学習に向けた意識付けをしたりすることもその一つです。
ですから、受験当日の生徒のモチベーションをマックスに上げて試験会場に向かわせることも受験指導の一環だと考えています。
そこで、上手くいかなかったことを今でも忘れられません。
今は自塾の生徒たちやこのブログを御覧頂いている方々への注意喚起をすることで、その時の教訓を伝えられたらと思っています。
リラックスすることと緊張の糸を切ることはイコールではありません。
本番当日は自分にとっての程よい緊張感を保ち、最後まで集中して試験に臨んで下さい。
藤沢市辻堂の湘南高校受験専門塾 育秀会
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